2015年8月25日から 2015年9月6日まで、浮島通りに移転して間もない言事堂さんにて展示会『BUEN CAMINO! サンティアゴ・デ・コンポステラまでの道を歩いた記録』を開催しました。2015年の6月から7月にかけて、フランスとスペインの国境からスペインの東の端まで、黄色い矢印をたどって歩いた道を紹介した展示会です。
期間中はたくさんの人に訪れていただき、毎日ヘトヘトになるまでサンティアゴのことをお話しして、充実した時間を過ごさせていただきました。
言事堂の入り口。サンティアゴへ続く道にあった黄色い矢印を模した看板。
旅で撮っていた写真を厳選して壁に貼りだしました。厳選したけど大量にありました。実際に歩いていた雰囲気を感じていただけるように道順に写真を貼りました。
バックパックと靴。靴は、旅の途中何度か破れては繕っていました。約8kgの荷物を再現。会場では背負って体験できるようになっていました。
道の風景を描いた油絵を2枚。展示会に合わせて描きました。荷物を増やせないので、ものすごく少ないですが旅で買った本や資料も展示しました。宿泊所やカフェで判子をもらったクレデンシャルという、証明書も。クレデンシャルは、巡礼者の証です。旅でずっと使っていた、肩掛けバッグ。貴重品を入れていて、お風呂の中まで持って入っていました。巡礼者がみんな持っている帆立貝は、わたしは旅の前に油絵のチャームを作って持って行きました。左にあるのは、完歩の証明書です。
展示会のきっかけは、Facebookに書いていた日記を本にしたことでした。本のタイトルは『This is my journey.』。旅の途中、たまに口にしていたThis is just a journey, we are not chasing.から、タイトルを決めました。まだ在庫があり、1冊1500円(税抜き)で販売しています。購入していただける方は、メールフォームよりお問い合わせください。
言事堂での展示会が終了して約2週間後に展示会で集めさせていただいた質問に答えるお話会を開催いたしました。旅のこと、スペインのこと、食べ物のことや風景のことなど、いろいろな質問に答えた約2時間の会でした。お話会の間には、みなさまにスペインを想い食べていただけるようなメニューを準備しました。
会場は沖縄市のroguii、進行役は株式会社机の武山忠司さんにお願いしました。おかげさまで和やかな良い会になりました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道は、8年前大阪の国立民族学博物館で『聖地巡礼』を観てから憧れ続けた旅でした。旅立つ時は、展示会をすること、本を作ること、毎日日記を書くことなどなにも決めておらずただがむしゃらに旅立ったのでした。
今になって振り返ってみると、旅を決めて、準備をして、足を腫らして1ヶ月半歩き続けて、帰国後旅の疲労や痛みと共存しながら本をまとめたり展示の準備をして、展示会やお話会でいろんな人と会って旅の話をした。ここまでが、わたしの巡礼だったような気がします。
個人的には、どこにいても、なにをしても、なにを見ても、感じる心があれば血は震えるものだと思っています。逆に、自分にしか光が当たっていない状態だと素晴らしい景色や暖かい心もすべて闇に埋もれて気付かない。ただ、あの時わたしにとっては、例えるなら自分の四方は真っ暗の状態でただ光って見えるのがサンティアゴへの道だったような気がするのです。これだと決めたらそれしかできない性格で、居ても立ってもたまらず旅立ったサンティアゴ。飛行機のチケットを買うまでそれがスペインだということもちゃんとわかっていなかったサンティアゴ。そんなエゴイズムで始めた旅に、たくさんの人ががんばったねと声をかけてくれて、なんだか不思議な気持ちでした。ただ誰かが見ていてくれる、そんなことが自分の勇気につながるなんて、今まで考えたこともありませんでした。わたしのまわりに光を当ててくださったすべての人に感謝します。人生はもう半分以上を終えたつもりでいるのですがまだ新しい感動があり思いやりがある。そんなことに気づかせてくれたサンティアゴでした。